尿酸値が高い、と言われたら知っておきたいこと



尿酸値上昇の要因-1

 

 

尿酸値上昇の要因は2つに分かれますが、そのひとつが遺伝的な要因です。尿酸に関係した遺伝子というのは、希ですが、影響の強い遺伝子と、頻度が高く影響が弱い遺伝子に分けることができます。

 

遺伝子の名前は大文字英語で表現されますが、HPRT、PRPP、UMODなどが希な強い遺伝子です。ここで言う「強い」とは、遺伝子が尿酸値を大きく動かすほど強い影響を与えるという意味です。こうした遺伝子を持っている場合に遺伝病という用語が使われます。

 

ところが、こうした遺伝子の変異がある人というのは極めて希であり、その他の大多数の痛風や高尿酸血症と関係しているわけではありません。ただし、大多数の痛風、高尿酸血症と遺伝子が関係していないかと言うと、必ずしもそうではないのです。

 

しかし大多数の痛風や高尿酸血症に関係する遺伝子は、頻度は高いが影響が弱い遺伝子です。ABCG2、CDC42BPG、GCKR、INHBCなどの遺伝子がそうなのですが、これらの遺伝子は腎臓の尿細管に発現して、物質の輸送に関係したものが多いのです。

 

ABCG2は消化管に分布しており、尿酸の排せつに消化管から関係している可能性があると考えられています。ちなみに遺伝的要因ではありませんが、薬剤の影響というのもあります。

 

薬剤の中には、尿酸値を上昇させるものがあるのです。例えば、フルイトランなどサイアザイド系降圧利尿薬、ラシックスなどループ利尿薬、テオドールなど喘息の治療薬のテオフィリン、ピラジナミドなど結核治療薬のピラジナマイド、そして、小児用バファリンなど少量のアスピリンです。

 

その他にも、薬剤ではありませんがいわゆる健康食品と言われるものの中にも、大量に核酸成分を含むものがあり、それらを毎日食べ続けていると尿酸値が高くなる可能性があります。